語学学校は留学の入口

カナダには質の高い語学学校がたくさんある。公用語が英語とフランス語の2つあり、しかも移民の多い多文化国家であるカナダは、それにこたえるため語学教育制度が発展してきた。留学生の受け入れも整っており、安心して通える学校がそろう。 語学学校には、私立の語学学校、大学付属のESL(English as a Second Language)コースと呼ばれる英語コース、コミュニティーカレッジのESLコースなどがある。英語を学びたい人なら誰でも入学できるし、期間も1週間から最高1年間まで選択できる。あらゆる意味で語学学校は留学の入口といえるだろう。

私立語学学校の特徴

誰でも入学できる私立校

私立の語学学校に入学するのに、特別厳しい入学資格や条件はありません。成人を対象とする学校が多いため、16歳以上もしくは18歳以上といった年齢制限が設けられているだけです。英語を勉強したい人なら語学力レベルに関係なく誰でも受け入れてくれます。初級から上級まで細かいレベル設定がなされており、学生の年齢層も幅広いのが私立語学学校です。

多彩なプログラム

一般英語コース以外にも、集中的に学びたい人のためのスーパーインテンシブコースやプライベートレッスン、実用的なビジネス英語コース、英語力を証明するものとしても使われるIELTS、TOEFL®やケンブリッジ英語検定、就職に役立つTOEIC®などの各種試験準備コース、インターンシップといったさまざまなプログラムが用意されています。

 

入学時期も授業時間も選択自由

年間を通して毎週月曜日に入学できたり、2~4週間おきに入学日が設定されていたりと、いつでも都合のいい時期に入学できます。クリスマスを除いて、ほぼ1年中休みなく継続して勉強することが可能です。また、授業時間数も週20時間、25時間、30時間とさまざまなので、しっかり勉強したい、フリータイムを重視したいなど、自分の希望に合った留学計画を立てられます。

短期留学、留学体験旅行も可能

私立語学学校の場合、最短受講期間は1週間または4週間という学校が多いので、短期間で集中して勉強したい社会人や、夏休みや春休みを利用して留学体験をしてみたい大学生などにも向いています。

滞在先は日本出発前に手配してくれる

滞在先は基本的にホームステイの手配を事前にしてくれます。ペットや子供のいる家庭がいいというような希望に応えてくれる学校もあるし、なかには寮滞在の手配が可能な場合もあります。申し込みのとき、入学願書に滞在の希望を記入しておけば、日本を出発する前に滞在先の住所を連絡してくれるはずです。さらに、現地到着時に係員が空港で出迎え、滞在先まで送ってくれるサービスを提供している学校も多く、これは通常、希望制、有料でのサービスとなっています。

私立語学学校の特徴(まとめ)

  • 短期体験留学から大学進学までさまざまなニーズに対応。
  • 年間を通していつでも入学でき、自分にあった授業時間数を選ぶことが可能。
  • 多彩なコース内容を目的に応じて選択できるのが最大のポイント。
  • 滞在先手配や生活サポートが充実しているので留学初心者におすすめ。ただ、カナダ人と知り合うチャンスが少ない欠点も。

カナダで語学学校を選ぶポイント

自分の目的に合った学校選びを

数多くの語学学校の中から、どの地域にあるどの学校を選ぶのか。優先順位をつけて比較検討し、「自分に合った学校」を見つけよう。

 

学校選びのポイント1. 地域

どの地域に滞在したいのか

いくら留学といっても、ずっと学校にいるわけではない。近くに映画館や劇場がないとイヤ、生活するのに便利な町を選びたい、という人もいるはずだ。大都市には日常生活に必要なもの以外にも、博物館、美術館、大規模なショッピングセンターなどさまざまな施設が揃っている。放課後や週末を利用して近郊の町を旅行するにも、交通の便がよいので好都合だ。ある程度自分が行きたい地域を絞ったうえで、“都心部(urban)”か“郊外(suburban)”か、あるいは“いなか(rural)”がいいのかを決めてみよう。

都会にするか、田舎にするか

大都市は治安の面では多少の不安もあるが、生活するには便利だし刺激も多い。そして何より公共の交通機関が整備されているところが多く、移動が便利。授業だけでなくフリータイムも重視したい人には向いているだろう。逆に、いなかはのんびりしていて生活費が安いし、人も親切。地域に溶け込んでじっくり勉強に専念したい人に向いている。

日本人学生が皆無の学校はまずない

日本人学生の数というのも気になるポイントだと思うが、英語を学びに来る留学生のうち、2割近くが日本人というのが現状。それでも日本人同士が固まるのを危惧する人は、バンクーバーなどの大都市ではなく、例えばオンタリオ州の地方都市や、アルバータ州、ノバ・スコシア州などの語学学校を選ぶのもいい。

学校選びのポイント2.費用

学費を比較検討しよう

たいていの人は予算に限りがある。それによってある程度、学校や地域、留学期間などが限定されてくるだろう。 予算を算出する際は、授業料の金額だけでなく、コース期間をよく確認すること。何週間でいくらなのかを踏まえたうえで、料金を比較検討してみよう。また、滞在費やその他の諸費用など、授業料以外にどのような費用がどれくらいかかるかも、要チェックだ。

カナダ留学にかかる費用をチェック

学校選びのポイント3.期間

自分の留学期間に適した学校選びを

●1~2ヵ月なら利便性高いの私立校

4~8週間程度の短期留学の場合、自分の日程に合わせて入学できる学校は限られてくる。入学時期や研修期間を、自分の都合に合わせて決められる私立の語学学校のほうが向いているだろう。また、小旅行や課外活動などのアクティビティは、私立校のほうが充実しているケースが多い。語学の勉強だけでなく、短期間にさまざまな体験がしたい、という人にも私立校はおすすめだ。

●3ヵ月以上なら大学やコミカレの付属も

3ヵ月以上なら、私立の学校以外にも、大学付属やコミュニティーカレッジ付属のESLコースの選択が可能だ。進学向けの授業を行っている大学付属でも、初級や中級のうちは主に一般英語を学ぶことになるので、授業内容がほかの学校と大きく異なるということはないだろう。キャンパス内の学生との交流などもあるので、ネイティブスピーカーの英語に触れやすい環境にあるというのも、大きなメリットだ。

●6ヵ月以上なら1セッションの長い学校を選ぼう

長期間の留学なら、レベルが細かく設定されたプログラムを設けている学校がいい。3段階くらいしかないところだとレベル間の格差が大きく、同じレベルを何度も繰り返さなければならない場合もある。 もしもひとつの学校に6ヵ月以上申し込むなら、1セッションの期間が長い学校を選ぼう。例えば2週間単位で申し込めるタイプだと、隔週ごとに新しいクラスメイトが入ってくることになる。そのたびに以前やったような授業が行われるので、多分に非効率的だ。

学校選びのポイント4.サービスや設備など

学校が提供するサービス

語学学校が学生のために行っているサービスには、主に次のようなものがある。

  • 滞在先の手配
  • 到着時の空港出迎え
  • 日本人カウンセラーの配置

こういったサービスは、特に初めて留学する人にとっては心強いものだが、すべての人に必要というわけでもない。自分に必要なサービスとは何かを見極めよう。一般に、サービスが整っている学校は授業料が高めであることが多い。

滞在スタイルの選択肢と手配サービス

滞在先の手配は、学校選択の際にも見落とせないポイントだ。カナダの場合、語学学校が手配してくれるのは、ホームステイであることがほとんど。そもそも、私立校は寮自体をもっていないことが多いし、大学、コミカレ付属であっても、寮の手配をしてくれるところは少ない。また、基本的に寮に入れるのは正規学生が優先。語学留学生が入れるとしても、時期が限定されていることもある。ホームステイと寮、どちらがいいのかは各自の好みに任せるとして、いずれにせよ初めて留学する人は、滞在先を手配してくれる学校を選ぶべきだろう。大学付属、コミカレ付属のESLでは、稀に滞在手配をいっさい行わないというケースもあるので、パンフレットをよく読んで確認するなど、注意が必要だ。どうしても寮に滞在したいという場合は、まずその手配を行ってくれる学校を探すのが一番の近道といえるだろう。

大学付属は設備や雰囲気もポイント

大学付属のESLでは、語学学校の学生も正規学生と同じように施設を利用できるので、設備内容やキャンパスの雰囲気なども学校選びのポイントとなるだろう。小規模な大学は学生数が少ないので、英語コースの学生も現地の学生の中に自然に溶け込める雰囲気がある。一方、学校設備やスポーツ施設などの充実度なら、大規模な大学に軍配が上がる。ちなみに、母体となる大学の知名度や入学難易度は、英語コースの程度とはあまり関係ない。

カナダ語学学校のさまざまなコース

語学学校でプラスアルファを学ぶ

ビジネス英語や試験対策などの専門英語コースや、英語プラスアルファ、インターンシップコースなどを設けている語学学校もある。

 

語学学校で学べる分野

さまざまなコースの中から選べる

語学学校の多くは、一般英語コースのほかに専門コースを設けている。ビジネス英語コースや、IELTS、TOEIC®、TOEFL®、ケンブリッジ英語検定などの受検準備をする試験対策コース、英語教師用のコースなどの専門英語コースのほか、英語プラスコースと呼ばれる一般英語とスポーツなどを組み合わせたコースもある。学校によっては、カナダの企業で就労体験ができるインターンシップコースを設けているところもある。

英語力が問われるコースも

初心者でも受講できる一般英語コースとは異なり、専門コースの多くは、「中級レベル以上」など、受講できる英語レベルが定められている。要求された語学レベルに満たない場合は、一般英語コースから始めて語学力を上げてから、専門コースに移るとよい。

プラスαプログラム・コースの種類

ビジネス英語コース ビジネス英語を集中的に学びたい人のためのプログラム。あいさつや電話の応対から、ビジネス文書の書き方、プレゼンテーション、ビジネス交渉までをカバーできる英語力が身に付けられる。
TOEIC®コース 日本でも多くの企業で、ビジネス英語の能力を判断する際に用いられる検定試験のひとつ。日常やビジネスの場で使われる英語に焦点をあて、練習問題をこなすなど、テストに備えた実践的な授業内容となる。
TOEFL®コース 大学や大学院に進学する場合、英語力の証明としてTOEFL笂№フスコアを求められる場合が多い。このコースでは、リスニング、リーディング、ライティング、文章構成と、多岐にわたる試験分野がカバーされている。
ケンブリッジ英語検定コース 毎年6月と12月(レベルによっては3月もある)の試験に向けて、集中した受験準備を行う。授業では、過去の試験問題を数多くこなして傾向と対策を学び、合格のコツを身に付ける。試験の合格が目的なので、期間は一般に12週間のところが多い。
進学準備英語コース 英語のブラッシュアップに加え、大学の授業形式に慣れるためのスタディスキルを学ぶコース。ノートのとり方、レポートやエッセイの書き方、図書館の利用法などを学ぶ。
英語教授法コース 英語が母国語でない英語教師向けプログラム。英語力強化はもちろん、効果的な教授法を学んだり、英語を教えるうえでの問題点などを討論したりする。
児童英語教師養成コース 子供が興味をもつようゲームや絵なども使っての授業の進め方やレッスンプランの立て方などを学ぶ。学校によっては、プログラムに実習を組み込んでいるところもある。
ITコース ウエブや印刷物のデザインや企画・制作などについて学ぶコースや、インターネット関連のコースなど、内容は多岐にわたる。通常、専門学校で学ぶ場合が多いが、専門コースとして組み入れている語学学校もある。
英語+スポーツコース 一般英語のレッスンとスポーツを組み合わせたコース。スキーやスノーボードのコースでは、インストラクターの資格取得を目指すコースもある。
インターンシップコース 現地企業での職業実習が体験できるプログラム。ただし、専門学校のコースに職業体験が含まれるコースを受講する学生が対象で、通常1~6ヵ月程度の企業研修が可能。本人の希望や英語力に応じて、たいていの場合学校側が研修先の手配を行ってくれる。カナダのビジネス現場を垣間見ることができると同時に、仕事を通して生きた英語を身に付けることができるだろう。ただ、これはあくまでも英語研修の一環として行われるプログラムなので、未経験分野での職業実習は難しいし、ポジションを得ても一般にはアシスタント業務となる。

自分に合ったカリキュラムを

検定試験コースやビジネス英語コースなどを受講するときは、規定の英語力をクリアすることが必要だ。ESLコースのカリキュラムに選択科目として含まれている場合も同様。英語力が低ければ、文法、発音、リスニングなど、基礎的な英語力をつける科目しか受講できない。また、学校によって、すべて必修カリキュラムのところ、1日1コマ程度選択科目がとれるところ、追加料金を支払えば選択科目がとれるところがあるので、自分の目的に合ったカリキュラムをもつ学校を選ぶようにしよう。

インターンシップコースの注意点

インターンシップとして企業研修できる期間は、在学期間よりも長くなってはいけないという決まりがある。また、最初の語学学校から転校してインターンシップのできる専門学校に移った場合、前の学校の在学期間はカウントされない。長期のインターンシップを希望する人は、最初からインターンシップコースをもっている学校に入学したほうがよいだろう。